コロナ禍の歯科開業

コロナ禍での歯科開業

新型コロナウィルスの問題が出てきてから1年以上が経つこととなってしまいました。
現在もデルタ株の蔓延が懸念され、まだ収束の見通しがたたないばかりか、絶望的な拡大状態が続いています。このような状況下、歯科医院の新規開業を進めていいものかどうか、開業準備のスタートはいつ切るべきか悩まれている先生も多いのではないでしょうか。
現在のコロナ禍において本年7月に2件の開業を支援してきてわかった開業の注意点などをお知らせしたいと思います。

大きく変わった申請スケジュール

2年前までの実績では、歯科開業における動き出してから開業オープンまでの期間は、テナントでの開業は最短で約6ヶ月(法人)、個人開業は約4ヶ月が一般的と言われてきました。しかし現在のコロナ禍においては、さまざまな遅延が発生しスケジュールが大きく遅れております。
役所の在宅勤務の増加と営業時間短縮により、業者や役所の処理スピードが1~2ヶ月遅くなっています。また、今後の状況がどうなるか予測不可能であり社会活動についても不透明なところが多いため、開業予定日を決めてもそれに間に合わないといったリスクは、以前にも増して大きくなっていると思います。よって、状況をみながら余裕をもったスケジュールで進めていくことが重要となります。

コロナが歯科界にもたらした功罪

口腔外バキュームや滅菌器など、特に感染予防にも関係する機器等が品薄で、購入・設置までに時間を要しました。現状も品薄が続いており、在庫や納期を確認して調達しなければなりません。
コロナ関連の助成金取得等の目的による内装工事が激増し、内装業者の手配がつきにくくなっています。また、内装部品の中でも、特に非接触型の蛇口、自動ドア、スイッチ類などが極端な品薄状態で、当社が手がけた内装工事でも部品調達が間に合わなく、工事完了後に順次取り替え作業を行いました。
医療法人は公的借入が非常にスムーズとなっており、無金利〜超低金利での資金調達が可能となり、実は分院開業が増加しています。

歯科開業物件、テナントに掘り出し物が増えた

昨年の夏以降、歯科医院開業のための物件探しをする中で、今まで滅多に出ない駅前の掘り出し物物件が出始めたことを実感しております。現に当社でも、駅前数十秒の物件を入手することができました。
すでに1年以上も続くコロナでの社会活動、外食産業はじめとするサービス業などの低迷による撤退、また危機意識により新規参入の差し控えにより、空きテナントが多く出はじめている事を実感しています。都心の繁華街などのテナントの場合、赤字が激増してしまっている賃貸業の貸主心情として、この状況下では少しでも家賃収入が欲しいのが当然です。空室の状況が続いているような物件では、家賃交渉やフリーレントなどの相談に乗ってくださる方が増えており、賃料や保証金を下げてもらえる可能性が大きくなった事も実感としてあります。

採用にも好変化が

新規作用においては、コロナ禍で産業自体ダメージを強く受けた業界、例えば観光業界、ホテル業、外食産業など新規採用の見直しや中止が増えています。
そのため、歯科業界において人手不足は相変わらず続いておりますが、ダメージを受けてしまった産業からの求職者が徐々にではあるが増えてきています。
特に歯科医院の場合、受付、歯科助手などは、入社の条件として、特別なライセンスは必要とせず例えば接愚に秀でたサービス業などの出身者や専門的な学校を卒業した新卒の方々には最適となる場合も多く、採用に苦戦していた歯科業界のリクルートも好転し始めてきました。
全体的にはコロナ禍でも、安定した経営の歯科医院は多く、大きく業績アップまではしていないものの、このような危機的状況下においても比較的に安定している歯科業界に学生たちは注目し始めているようです。

まとめ

コロナ、ラムダ株などの新種のパンデミックに関しては依然先が見えず不安定な状態が続いているため、ここで歯科医院開業を躊躇する先生も少なくないのではと思います。
しかしそんな状況においても上記のように、歯科開業について言えば、好転し始めていることも多くあり、ピンチをチャンスに変えられる可能性も大いにありますので、身近な院長様や専門的な会社などと相談しながらぜひとも明るい将来に向けてのチャレンジをしていただきたいと思います。

 

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