歯科開業医の年収

日本のサラリーマンの平均年収は平均432万円(国税庁「平成29年 民間給与実態調査」)と言われています。対して一般的な歯科医(勤務医)の平均年収は平均823.9万円(「平成30年 賃金構造基本統計調査」)です。病院の規模や役職によって変動しますが、高収入であることは確かです。
一方、開業医と勤務医の年収はどれだけ差があるのでしょうか。医師である以上、開業医か勤務医かどちらかを選択しなくてはなりません。勤務医である場合、病院の規模によっては1000万円を超える場合もありますが、歯科医院を開業した場合、平均年収は643万円と低いデータもあります。歯科医院は全国的に供給過多の状況にあり、人口の多い地域であっても患者さまの取り合いになります。しかし、令和元年10月の時点で、全国の歯科医院は「68500施設」で前年より113施設減少しています。令和3年1月の概数では「68024施設」で大幅減です。(厚生労働省 医療施設動態調査 令和3年1月末概数
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/m21/is2101.html)シビアな状況であることには変わりません。開業したエリアによって思ったように集患できなかった場合、思うように収入が見込めない可能性もあります。

開業医と勤務医の違い

勤務医は配置されたその日から治療に当たれます。経営に頭を悩ませることなく治療に専念し、十分な給与を貰うことができます。役職に就けば高収入も可能です。しかし開業となれば5000万円を超える高額な初期投資が必要ですし、開業してからも金融機関への返済、人件費や家賃などの固定費、設備のメンテナンス費など毎月様々な費用が発生します。歯科医院を開業し、順調に経営していくことは簡単ではなく単純に「開業医のほうが儲かる」というわけではありません。万が一赤字経営になった場合には自分の貯蓄を切り崩し、自己負担をしなければいけない状況も発生しうるのです。
個人で開業、もしくは医療法人を経営する場合でも、院長としての報酬とは別に将来のために備えておく必要があります。

開業医のリスク

開業と同時に経営者としての責任が発生します。つまり様々なリスクを想定し、経営基盤を築いていくことが重要です。開業さえすれば患者さまが集まって順調に経営できるというわけではありません。例えばSNSでネガティブな口コミが拡散し、患者さまが来なくなることもあるかもしれません。医療過誤による訴訟やスタッフの退職。何が起こるかは予測ができません。また誰しも陥りやすいのはやはり資金面での見通しが甘いというケースです。 歯科医院は他業種と比べると開業に多額の費用が必要です。確かな事業計画は融資を受ける際にも必要ですし、事業計画の見通しの甘さによって運営が立ち行かないということは往々にしてあり得ます。様々なリスクに対する備えやサポート体制を作っておき、経営者としてリスクヘッジしていくことが大切です。

歯科医開業の成功

勤務医から開業医へ転身する際には、多額の費用や思いもよらないトラブルが生じ「こんなはずでは・・・」と思う日もくるかもしれません。しかし、様々な困難を乗り越え個人開業から大手医療法人へと成功を遂げ、年収3000万円オーバーの方たちが存在するのもまた事実です。歯科医としての成功者、そんな方々はリスクに対する備えが万全です。さらには日ごろからあらゆる情報に敏感で、常に患者目線であり、成功を信じてたゆまぬ努力と工夫を地道にされてきたことが共通点といえます。現在過剰気味と言われる歯科医院ですが、10年後には歯科医を開業する人が減る一方で高齢者は増加の一途であり歯科診療そのものが供給不足になることが考えられます。真摯に患者さまと向き合い、地域に根差した診療を続けることで長く通ってくださる患者さまが増えることでしょう。そういった姿勢こそが安定した集患につながり、ひいては高収入歯科医へと繋がると言えるのです。

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